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行こか戻ろかイギリス生活

行こか戻ろかイギリス生活

Manolo Sanlucar, Javier Baron

(2005年2月27日)
へレスフラメンコフェスティバル3日目の今日、夜は9時からVillamarta劇場に行く。今日の公演は、前半はManolo Sanlucar、後半はJavier Baronだ。

Manolo Sanlucarといえば、映画FlamencoやSevillanasで、Paco de Lucia等と競演していたあの眉毛がゲジゲジの伝説のギタリストだ。ちょっと有名なタブラオ等に行くと、彼の写真がよく壁に飾ってある。

いよいよ幕があがり、普通のセーターとズボンで出てきたManoloは眉毛も含めてすっかり白髪に。「ああ、歳取っちゃったねええ」等と思いながら座ってみていると、おもむろにMCが始まった。何だか根が照れ屋なのか、ギターの縁をむしったりしながら、下を向いてボソボソ喋っている。
演奏が始まると、これはもう素晴らしいの一言。特に素人の私に判る部分としては、テンポの速い例の「ジャカジャカジャ-ン」の力強さと、リズムの切れが最高。今日は第二ギタリストSantiago Laraを従えていたが、彼もManoloの邪魔をしないよう、だがとてもいい仕事をしていた。一緒にステージに上がっていた、カホンとパーカッション(Francisco Gonzalez “Paquito” y Jorge Aguilar)も自分のパート以外はManoloのギターに聞き入っており、いやあ、やはり神様だ。聴衆のなかにも、長髪を後ろにひとつに結んだいわゆるフラメンコギタリスト系の姿が目立つ。熱狂的なファンも多く、一曲終わるたびごとの拍手の大きさはやはり別格だった。

途中から、カンタオーラCarmen Griloがセッションに参加。素晴らしい声だ。Carmenは、まだ20台とみたが、日本等ではこのように年代の違うアーチストが競演すると、やれコラボレーションなどと大騒ぎになるところであるかもしれないが、フラメンコではいろいろな年代の人が様々な組み合わせで競演する。それだけ音楽的に余り変わっていないのかもしれないが、伝統が世代から次の世代へと脈々と実に自然に受け継がれている。

Manoloは2回ほどCarmenの手をとって、観客の歓声に応える為にステージの前に出てきたが、それが完全にライトに当たっていないところに立ってしまい、照明さんがManoloの自由な行動に慌ててステージ全体のライトを点けていたのが微笑ましくて笑えた。

インターバルの後はJavier Baronの登場。今日のメニューは下記のとおり。
Introduccion (Violin) : Alexis Lefevre
Circunstancia (Guitar) : Juan Diego Mateos
Seguiriya : Javier Baron
Zapateado, Calle barja : Javier Patino, Alexis Lefevre, Juan Ruiz
Jaleo extremeno : Isabel Bayon
Cantes de Levante : Juan Jose Amador, Pepe de Pura
Tangos : Jvier baron, Isabel Bayon
Solo de violin : Alexis Lefevre
Solea por Bulerias : Javier Baron
Final : Toda la Compania

超期待で胸を膨らませて登場を待ったJavier Baronは、勿論素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたが 、最初は調子が出てなかったのか、ちょっと片足で立った時にフラつく場面も。競演のIsabel Bayonはいいキレの踊りを見せてくれた。が、今日は個人的には、Manoloの神様ぶりに圧倒されて、2部はちょっとかすんでしまった。

公演が終わって、劇場の隣のTeatro Caféで飲んでいたら、Javier Baronとその共演者達がやってきた。ステージを下りたJavierは意外に小さかった。


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